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三為物件は買うべきか、買わないべきか

不動産投資業界でよく出てくる、
「三為」、「中間省略」について、
考えていることをまとめてみた。

「中間省略は悪い」と言われるケースが多いが、
果たしてそうだろうか。


中間省略、三為(さんため)とは?

不動産投資をこれから始める人や、
まだ歴が浅い人は聞きなれない名称だろう。
通常の仲介案件とは異なる、
「中間省略」、「三為(さんため)」と呼ばれる
取引手法がある。

この記事では中間省略の仕組みを詳しく解説することを
目的にしていないので、
詳細は、下記リンクを参照してほしい。

不動産の所有権が、AからB、BからCへと移転した場合、
本来ならば不動産登記簿には
「AからBへの所有権移転登記」と
「BからCへの所有権移転登記」という
2個の移転登記が記載されるべきである。

しかし当事者(A・B・C)が相談のうえ、
「AからCへの所有権移転登記」という1個の移転登記のみを申請し、
登記するケースがある。
このような登記を「中間省略登記」と呼んでいる。

アットホーム

めちゃくちゃ簡潔に表現すると、

「間に入って仕入れている不動産会社が、
仕入れと売却を同時にする場合、
登記をせずにエンドユーザー売ること」

というイメージ。

初めて聞いた時は、
「え、そんなの合法でありなの?」と思ったが、
実際全然ありなのである。


三為物件はどうなのか?

自分は、不動産投資家でもあり、
不動産売買仲介でもある。
両方の立場で一度整理をしてみたい。

投資家のスタンスとして

まずは、投資家スタンスとして。

メリット
  1. 仲手がかからない
    エンド(C)からすると、
    業者売主物件のため、
    売り直で変えれば仲介手数料がかからない。
    仲手は「物件価格×3%+6万円 ×税」なので、
    これを支払わずに住むのは大きいだろう。
  2. 融通がきく
    業者売主物件になるので、
    色々と注文をつけやすい。例えば、修繕や家賃保証など。
    売主がエンドの方だと、
    売買でいきなり「決済までに300万円の屋上防水をしてほしい」
    と要求しても、それは厳しいだろう。
  3. 瑕疵担保がつく
    最後に、瑕疵担保がつくこと。
    宅建業者が売主になるため、
    2年の瑕疵担保がついた物件を買うことができる。
    この安心感は、大きいと思う。
デメリット
  1. 利益が乗っている
    中間省略のデメリットは
    おそらくここしかなく、
    ただ、この点のインパクトがとても大きい。
    下の、「業者のスタンス」と少しかぶるが、
    単純仲介案件とは比較にならないほど利益を乗せられる。直近だと、
    「4億円ほどの物件で、約1億円利益が乗っていた」
    という事例があった。関連記事も参照いただきたい。

不動産業者の
スタンスとして

そして、業者として。

メリット

「投資家としてのデメリット」の裏返しだが、
上限なく利益を乗せて販売することができる。

仲介案件だと、宅建業法上の報酬上限を超えて手数料を取ることはできない。
上限以上の報酬を取ろうと思うと、
「コンサルティング契約」などを結んで、頂くこととなる。
しかし、当然だが、投資家としてはよっぽどの事情がない限りは、
余計な費用は払いたくない。
そのため、仲手以外の報酬をもらうのは難しいことが多い。

これが、中間省略案件だと
利益を乗せ放題である。
投資家も謄本を取得すれば、
「前回いくらの融資で買ったのか?」はわかるが、
今回の案件での正確な利益額はわからない。

また、三為の売主となる業者としては、
客付業者に紹介をお願いする場合、
「****万円振り込んでくれれば、
高く売ってくれた分の差額は、御社に戻す」
というセールス手法ができる。

そうすると、客付会社も仲手以外の利益が確保できるため、
売りやすいのだ。

デメリット

ここも、「投資家スタンスのメリット」の裏返しとなる。
・瑕疵担保2年をつける。
・修繕など手を入れるケースが多い。
・家賃保証を要求されるケースがある。
など。

ただ実際は、決済できた場合の利ざやでいくらでもカバーできるのである。
つまり、デメリットがあまりない。

被るであろう支出は、計算して最初から売価に乗せて
売価設定をすれば、全く問題ない。
A-B間をいつ契約するか?にもよるが、
狙った金額で売れそうになければ、そもそも物件を仕入れなければいい。
そのため、デメリットはあまりないのである。

もちろん、
「A-B間の契約を先にしてしまっているが、B-C間が決まらない」
など、切羽詰まる状況になることもあるが。

個人的意見

投資家スタンス

正直、メールなどで物件紹介を受けた時
「中間省略」と買いてある時点で、
あまり積極的に見ることはしない笑
(よっぽど利回りがいい物件などは別だけれども)

理由としては、やはりどれくれい利益が乗っているかわからないというところ。
業者が色々やってくれたとしても、
結局それを自分で解決できるのであれば、
「安く買う」ことがもっとも有利であるから。

「水漏れで、300万円の屋上防水が必要になるかもしれない」
というリスクは、確かに瑕疵担保でカバーできるが、
「そもそも300万円安く買って」いれば、同じことである。

ただし、色々と交渉をして、
「価格に見合う価値のある物件」に仕上げられるのであれば、
中間省略物件でも購入するべきだろう。

売買後に管理も請け負ってくれる業者だと、
なお良いと思う。

最終的には
「相場(または適正価値)より安く買える、いい物件であれば、買い」
ということに尽きると思う。

業者スタンス

前述の通り、色々やり方のバリエーションが増えるため、
少し乗り気になる、というのが正直なところ。

ただ、結局融資をつける目処が立たなければ、売買できない。
「中間省略だから是が非でもやる」
というよりは、
「融資がつきそうな物件で、かつ中間省略」だと、
少しテンションが上がるかな、
くらいの感覚である。
(あくまで自分は)

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