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一物件一法人スキームでりそな銀行の一括返済要求は本当か

2019年3月6日現在、
不動産投資界隈で、
「一物件位置法人スキーム」が話題になっていますね。

このスキームがどういうものなのかは、
後述しますが、

気になるのは、

・本当に一括返済されたのか?
・本当に金利が上がったのか?

というところかと。

結論としては、
「自分の周りでは1人もいない」
です。

なので、今回の記事を書きました。

自分は過去に不動産売買仲介に1年半おり、
約26億円の融資を扱っていました。
現在は不動産投資の講師業をしています。

それらの人脈を使って、
いろいろ聞いてみました。

一物件一法人スキームで一括返済をした人は本当にいるのか

そもそも、今回の記事を書こうと思った理由は、
下記情報をよく目にするようになったからです。

りそな銀行が、一物件一法人スキーム剥がしに本気になっている。

りそな銀行が、一物件一法人を突き止めて、一括返済を求めてきた。

りそな銀行が、一物件一法人を突き止めて、金利を6%に引き上げると連絡をしてきた。

Twitterや、有名ポータルサイトで
本当によく目にするようになりました。
信憑性がありそうな記事が沢山あります。

でも、そういった情報を目にするたびに思っていました。
「それ、本当に本当!?」と。

そりゃ、自分もほんの1年前は渦中真っ只中にいたので、
関心は人一倍あるわけです。

なので、知り合いに聞きまくってみました。

本来は、りそな銀行に
直接問い合わせできることが、
一番有効な手段なのですが、

あいにく前職とりそな銀行さんの仲が悪く
(自分が入社した当時はもうその状況でした 笑)
問い合わせができないことが悔やまれます。

ここで、知人にヒアリングするときに気をつけたことは

あなたの知り合いでそうなった人はいますか?
知り合いの知り合いではなく。

ということ。

つまり、誰かから聞いた二次情報ではなく、
あなた自身が見聞きした一次情報をください、
ということですね。

というのも、不動産業界は
なぜだか、情報を150%や200%に
割増して、伝える人が多いから。

なので、「あの銀行が融資だすらしい」とか
「あの物件のあのルートは固いらしい」
などの情報は、さっぱり当てにならない。

(もうね、本当に当てにならない、、、笑)

ということで、
前置きが長くなりましたが、
自分の知り合い15人〜20人に聞いた所、

直接の知り合いで、
一括返済や金利の引き上げがあった人は
1人もいない。

というのが全員の回答でした。

自分の周りにはあまり無茶をする人は
いなかったので、
それもあるかも知れませんが。

きれいに、いなかったんですよね。

銀行からヒアリングの
電話がかかってきた人はいました。
でも、それだけで終わってみたいです。

という、経験があったので、
今Twitterやネットで出回っている
「バレた!」「やばい!」

みたいな情報は、
どうにも信じることができません。

一物件一法人スキームとはどういう仕組みか

曇天のビル

ここで、そもそも
「一物件一法人スキームとは、なんなのか?」
ということも説明をしておきます。

一物件一法人スキームとは、
固有名詞ではなく、
実はいろいろな呼び方があります。

・一物件一法人スキーム
・一物件一銀行スキーム
・多法人スキーム
・複数法人スキーム

などが主な呼び方です。
名前は違いますが、
全部同じことを意味しています。

一物件一法人スキームとは、
このような投資手法です。

【一物件一法人スキームとは】

不動産を購入する際に、
銀行事に法人を作り、
その法人(A)名義で物件を購入します。

次に別の銀行Bから融資を受けて
別物件を購入する際には、
法人Aの存在は伏せたまま、
融資審査を依頼します。

この時、銀行Bは、
投資家が保有している法人Aを特定することが難しく、
隠し通せることが多いです。

そのため、投資家は既に保有している
物件と法人Aの借入を隠せることになり、
新たな銀行から融資が受けやすくなります。
(債務がない状態のため)

新しい物件を購入するごとに、
この方法を繰り返すと、
短期間で、物件規模を増やすことができます。

投資家が規模拡大に
ストップがかかってしまう理由は
いくつかありますが、

その一つに
「購入スピードが早いため融資NG」
というものがありっます。

これは、どんなに良い物件を買っていたとしても
指摘される場合が多いです。

個人的には、
変に物件を一つもているだけのほうが、
よっぽど危ないと思うので、

せめて、3棟〜4棟くらいまでは、
すぐ融資をしてあげた方が、
金融機関も焦げ付くリスクが低いと
思うんですけどね。

とはいえ、金融機関には、
賃貸経営的観点から、

その物件が「いい物件」か「悪い物件」か
を見抜くことができないため、

万事を取って、
「ペースが早いから一旦お休みを、、、」
となってしまうんですけどね。

話を戻しますが、
こういった事情から、

まっとうに進めていると、
必ずどこかのタイミングで、
ストップがかかります。

そして、短期間での拡大ができなくなってしまう。
それを回避するために生まれたのが、
この一物件一法人スキームです。

加えて、新設法人で物件を購入すると、
建物にかかる消費税を、
還付することができるため
(通称「消費税還付」)

ものすごい勢いで、
資産を拡大する投資家もいました。

仮に10億円購入したとして、
その6割が建物価格だとすると、

100,000万円×0.6=60,000万円
60,000万円×8%=4,800万円
税理士報酬を引いたとして、
4,800万円×0.8%=3,840万円

ということで、消費税還付だけで、
3,840万円も現金を増やす事ができます。

計算して思いましたが、
すごい数字ですね笑

一物件一法人スキームは悪いことなのか

良くはないですよね 笑

ただ、この「多法人」のスキーム自体は
実は昔からある手法です。

というのも、
銀行や物件事に収支管理をしたい
とか、

相続を考えて、
子供の人数分法人を作った
などですね。

正常な理由を元に行われるケースは
昔からありました。

それを、最近になって、
賢い投資家が乱用したということですね 笑

もちろん、
「金融機関に正しく申告をしなかった」
という部分は褒められたことではありませんが、

100%悪いか?と判断を問われると、
個人的には
「う〜〜ん、、、」
というのが正直なところですね。

前述した通り、
不動産賃貸業を始めた以上、
ある程度の規模までは短期間で拡大したほうが、
経営の安定化は図れます。

極端ですが、
部屋数3で1室退去になるのと、
部屋数100で1部屋退去になるのでは、
ダメージが全然違いますからね。

なので、3棟〜4棟くらいの規模までは
増やしてしまった方が、
安全だとは思います。

が、どんなにその事情を金融機関に説明した所で、
融資は受けられません。

一言で言うと、「規定」になるのですが、
その本質的な原因は、
「物件と投資家を見極められないから」
です。

これを言い出すと、
アカウンティングやファイナンスなど、
評価方法まで話が飛躍するので、
やめますが 笑

収支が悪い物件を持っているのはNG

多法人自体について説明しました。
方法自体は違法でもなく、
悪いことではないです。

しかし、隠していた物件が火の車状態
つまり、収支が悪い物件だったら、
銀行としては話が違ってきます。

銀行審査は、
人物評価と物件評価の2つの視点で
総合して判断しています。

ですから、出された材料で「GO」と判断しているのに、
あとから、爆弾がでてきたら、

それは「話が違うからそれ相応の対応をとる」
という事になるかと。

せっかく購入する物件自体で
担保が取れるように計算しているのに、

あとから、資産性がないだめ物件が出てきたら、
「そもそも融資しなかった」という判断になるのも
不自然ではありません。

逆に。

この理屈で考えると、
十分に収支がよく、
評価が取れる物件を持っていた場合は
発覚しても理論上は問題にならないかも知れません。

しかし、銀行事にエリアの規定などもあり、
エリア外物件だと、
「収入は0評価で、返済だけ加味する」
ケースもあるので、

投資家評価と
銀行の評価は食い違うことのほうが多いです。

個人的な意見では、

悪い物件を持っていたことを隠していた:NG
隠してはいたがいい物件だった:なんとかなる

感じが多いかなと。

実際問題はありえませんが、
理屈だけで言ったら、

めちゃくちゃいい物件を持っていて、
それが後から出てきたとすれば。
その人の属性評価は上がりますからね。

個人(または事業全体)の
バランスシートを見たときにも、
改善するならば、
銀行からしても悪い話ではないですよね。

なぜ多法人が銀行にバレてしまうのか

可能性は複数考えられますが、

・自宅に法人を複数登記している
・Gサーチ
・同じレンタルオフィスに登記されている

などが一般的かと。

自宅に法人を複数登記している

これは、高確率でバレます。
法人検索は、登記場所から検索することができます。

したがって、自宅(つまり同じ住所)に
複数登記していると、
自宅住所を検索された際に、
すべて露見します。

一物件一法人スキームを行う投資家は、
「同じ場所には登記をしない」は
半ば暗黙のルールとなっていますが、

よくわからずに乗ってしまった人は、
このケースで引っかかる人が多いですね。

売買仲介時代に、
沢山の投資家と、
沢山の業者とあってきましたが、

知ったかぶりをしている人が
とにかく多い!
っていうのが驚きました 笑

「いやいや、生涯賃金より多い借り入れをするんだから、
ミスったら、人生アウトだよ?」

と何度思ったかわかりません 笑

業者の場合は、2ヶ月ほどの売買期間を乗り越えれば、
最悪縁を切れますが、
投資家はそうは行きません。

なんで、知識をつけてから実践しないんかな?と
いつも不思議に思っていましたが、
世の中はそういうものなのでしょう。

だから詐欺やら何やらが
絶えないのでしょうが。

Gサーチ

株式会社ジー・サーチが提供しているサービスです。
帝国データバンクのような
検索サービスですね。

使ったことはありませんが、
帝国データバンクよりも
法人を探すだけであれば、
正確にデータを取れるようです。

同じレンタルオフィスに登記している

こちらも自宅と同様の理由でバレます。

あまり多くないですが、
「自宅以外なら大丈夫」と

自分が保有している複数の法人を
一箇所のレンタルオフィスに登記している方がいます。
これも、登記住所を調べると、
検索できてしまうために発覚します。

噂では、銀行が

「取引している投資家の多くが、
ある場所のレンタルオフィスを使用している」

ことに気が付き、
そこから多法人スキームがバレた
という話もありますが、

何らかの理由で自宅に登記をしたくない投資家が、
同じオフィスサービスを使うということは
珍しくはないので、

これは別に不自然ではないのでは?
というのが自分の感想です。

さいごに

今回は、世の中を騒がせている話題について、
記事を書いてみました。

一物件一法人スキーム、
それにしても数年前に大爆発しましたよね。

はじめて知った時は、

そんなので本当にいけるの!?

と思ったことを今でも覚えています。

でも、いけましたねー。実際。
5〜8年前から不動産投資を始めていて、
2〜3年前に実力を備えていた人は、

大爆発して、
人生のステージが大きく変わって人も
沢山いるでしょう。

この一物件一法人スキームについては、
なんともコメントが難しいなーというのが印象です。

ただ、一物件一法人スキームを使っていると一言に言っても、

・使いこなせている人

・言われるがままにやった人

と2種類いますね。

そりゃそうだとは思いますが。
・法人設立
・税務
・融資の方法
など、ケアすべきところは
山程ありますからね。

不動産投資初心者が、
いきなりマスターできる手法ではありません。

でも、不動産業者は
この方法を使うと、

売買の回転が早く、
めちゃくちゃ儲かるので、
「必死に勧めていた」
というのが、実情でしょう。

一物件一法人スキームを
やるかやらないか?は
最終的には投資家さんの判断ですね。

物事、何事も表裏一体で、
いい面も悪い面もあるので。

多法人スキーム、
書類が死ぬほど来ると思うので、
書類管理が大変そうだなーと
いうのが自分の感想です 笑

いつも、最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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