物件価格が下がってきた
健美家が発行している、レポートが2018年4月2日更新で更新された。
・区分マンション
・一棟アパート(主にW造など)
・一棟マンション(主にRC造など)
この3つでジャンル分けされており、「価格」と「利回り」の二つが発表されている。
結果は、価格は全てのジャンルで下がり、利回りは全てのジャンルで上昇している。
この情報だけだと買側にとっては嬉しい市況と思えるが、果たしてそうだろうか。
(健美家より引用)
誰が購入できるのか
物件価格が下がり、利回りは上がっているが投資家(買側)にとって果たして手放しで喜んでいいことだろうか。投資家が物件を買う方法は①現金購入、②融資を受けての購入の二つ。おそらく多くの人が②の方法をとっているだろう。そもそもが「少ない自己資金で、融資でレバレッジをかけて物件を購入できる」ということが不動産投資の一つの魅力でもある。
そこで考える必要があるのが、「この市況で融資がつくのか?」という観点。不動産仲介業として、日々融資打診をしている立場からの感想は「相対的に融資が非常につきづらい」ということである。具体的に列挙すると
・入り口の年収が上がった(1,000万円→3,000万円など)
・融資エリアが狭まった。
東京の中心から徐々に外に行くにつれ、利回りは高くなる。
したがって、購入を検討するような高利回り物件は中心地から遠くになるが、
この絶妙なエリアが、融資対象から外れることが多くなってきた。
・融資割合が減る
・決済までのチェックが厳しい(エビデンスや資金移動の説明など)
などがある。
そもそもなぜ価格が下がってきたのか
一言で言うと「融資がつきづらく、買い手が減ってきたため」と言うことである。
※もちろん他の様々な要因が考えられるが、一つの要因として。
融資がつきづらくなったために、「現金でも購入できるところまで物件価格を下げる」「当初予定していた融資がつかなかったため、可能な額で対応できるまで価格を下げる」と言うこと起きている。
実際、仲介業としても「自己資金割合が3%増えてしまったため、その分売価を減額してほしい」と交渉することもよくある。
投資家が取るべき行動とは
一つは、「投資家自身が積極的に行動する」という、原理原則に立ち返ることだと思う。
仲介業として、「依頼者(つまり買い手)の手間をなるべく削減する」ということが一つの価値提供になるが、金融機関との交渉は本人が動く方が圧倒的に有利な結果が引き出せる。僕自身も、投資家として邁進しているが「直接の依頼でなければ、今回は断っていた」と言われるケースもある。これは考えてみれば当然だが、誰もが年収や資産背景など「定量」で勝負できるとは限らない。(かく言う自分がそう)であれば、熱意やレスポンスの速さ、知識の量など「定性」で戦うしかない。仲介業を間に挟んでいる限り、土台に乗って初めて「定性」をアピールする場面が作れる。しかし、この「土台に乗る」と言うのがなかなか難しい。テーブルに乗らない限り、定性部分をアピールする場はないし、アピールできない以上融資は先に進まなず融資承認は取れない。
もう一つは、認識を改め「買える物件を買って行く」と言うことかもしれない。もちろん、これは「買っていい物件かつ買える物件」と言うことであるが。不動産投資は、常に情報をアップデートする必要がある。勉強家や読書家の投資家さんに多いのが、「過去の状況に固執している」ことである。数年前は、利回りが15%や20%近い物件も市場にでてきていた。しかし、現在だとおそらく瞬間蒸発の勢いで売れて行くだろう。または、業者が一度買い取って、利益を乗せ、マーケットに流す(通称「三為」や「中間省略」)。つまり、お宝物件はエンドユーザーにはほとんど回ってこない。
ここまで大げさな利回りの変化などは起きていないが、「以前の条件にこだわっていると、買えなくなる」ことは明確である。自己資金や、購入方法(個人、法人)などである。CFがしっかりと出る物件を買っていれば少なくとも、その間は収入が入ってくる。「書いたい病」のようになんでも買う姿勢は全くオススメしないが、妥協点を少し下げ物件を買って行く戦略も今後は有効になって行くだろう。極端だが数年後に振り返った時に「サラリーマンが融資を引けて物件を購入できていたなんて、信じられないね」と言われるような状況がくるかもしれない。
自分としても、物件を買うために今のステージにいるため、そうならないことを切実に祈るばかりだが。
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